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文献概要
原著
乾癬に対する5-FU軟膏のODT療法
著者: 辻卓夫1
所属機関: 1大阪市立大学医学部皮膚科教室
ページ範囲:P.1157 - P.1163
文献購入ページに移動 乾癬の治療法の1つとして,近年抗腫瘍剤すなわちaminopterin1,2),methotrexate3)などの葉酸拮抗剤やmercaptopurine4),5-fluorouracil3)(5-FU),triacetyl azauridine5)(TA-AZUR)などの核酸拮抗剤の全身療法が行なわれ,その有効性が認められてきた。作用機序としてかかる物質は主として核酸合成機転に働き,表皮細胞に対する再生抑制作用を持つためとされている。しかしこれらの全身投与による白血球減少,口腔内粘膜潰瘍,出血,各種臓器障害などの副作用もまた見のがせない大きな問題となつている。
最近Kleinら6)は各種皮膚腫瘍に対して5-fluorouracil(以後5-FUと略す)軟膏の閉鎖密封療法(以後ODT療法と略す)を開発したが,この方法は腫瘍組織のみが選択的に破壊され,かつ上記副作用もみられないことより,皮膚腫瘍の治療学上の新分野をひらいた感を与える。
最近Kleinら6)は各種皮膚腫瘍に対して5-fluorouracil(以後5-FUと略す)軟膏の閉鎖密封療法(以後ODT療法と略す)を開発したが,この方法は腫瘍組織のみが選択的に破壊され,かつ上記副作用もみられないことより,皮膚腫瘍の治療学上の新分野をひらいた感を与える。
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