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原著
Fanconi症候群の1例
著者: 前田一郎1 中村肇2
所属機関: 1神戸大学医学部皮膚科教室 2神戸大学医学部小児科教室
ページ範囲:P.151 - P.155
文献購入ページに移動1927年Fanconi1)は大血球性高色素性貧血,白血球および血小板の減少,骨髄造血機能の減弱とともに,小頭症,内斜視,睾丸発育不全,深部腱反射亢進,全身性の褐色色素沈着等を伴なう3人の兄弟例を家族性幼児性悪性貧血様貧血(fa-miliäre infantile perniciosaartige Anämie)として報告以来,同様症候群は諸家により種々の呼称はあるものの,一般にはFanconi症候群もしくはFanconi貧血として知られている。
一方,1906年Zinsser2)がatrophia cutisreticularis cum pigmentatione, dystrophiaunguium et leukoplakia orisとして初めて報告した,いわゆる先天性角化異常症(dyskera—tosis congenita)は網状の色素沈着,爪の形成異常,白板症を三主徴とする症候群で,ともにFanconi症候群にみられるような貧血を伴うこともある。
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