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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科24巻2号

1970年02月発行

文献概要

原著

Fanconi症候群の1例

著者: 前田一郎1 中村肇2

所属機関: 1神戸大学医学部皮膚科教室 2神戸大学医学部小児科教室

ページ範囲:P.151 - P.155

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はじめに
 1927年Fanconi1)は大血球性高色素性貧血,白血球および血小板の減少,骨髄造血機能の減弱とともに,小頭症,内斜視,睾丸発育不全,深部腱反射亢進,全身性の褐色色素沈着等を伴なう3人の兄弟例を家族性幼児性悪性貧血様貧血(fa-miliäre infantile perniciosaartige Anämie)として報告以来,同様症候群は諸家により種々の呼称はあるものの,一般にはFanconi症候群もしくはFanconi貧血として知られている。
 一方,1906年Zinsser2)がatrophia cutisreticularis cum pigmentatione, dystrophiaunguium et leukoplakia orisとして初めて報告した,いわゆる先天性角化異常症(dyskera—tosis congenita)は網状の色素沈着,爪の形成異常,白板症を三主徴とする症候群で,ともにFanconi症候群にみられるような貧血を伴うこともある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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