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〈原著論文抄録〉
尋常性乾癬のコルチコステロイド外用におけるステロイド皮膚貯留,他
著者: 松沢徹1 久木田淳1
所属機関: 1札幌医科大学皮膚科教室
ページ範囲:P.191 - P.191
文献購入ページに移動 尋常性乾癬の皮疹部における外用コルチコステロイドの皮膚貯留現象をオートラジオグラフ法を用いて検索した。用いた放射性ステロイドはC14がアセトナイド基にラベルされたフルオシノロン・アセトナイドのクリームでこれを尋常性乾癬の皮疹部に24時間ODTによつて適用した。結果は24時間ODT直後においては放射性ステロイドは角質層および表皮のマルピギー層に著明に認められ,それは表皮基底層において真皮との間に明瞭な境界線をなしていた。この所見より,皮膚吸収における第2のbarrierが表皮基底層に存在する事を推測した。ODT後3日目のオートラジオグラフによれば,ステロイド貯留は表皮および毛嚢壁に僅かに認められた。ODT後7日を経たものにおいては,1例ではステロイドは全く認められなかつたが,他の1例で組織学的に軽症のものでは,ステロイドはマルピギー層に痕跡的に認められ,特にマルピギー層の表層においてより明らかであつた。以上の結果より,尋常性乾癬におけるステロイド貯留は明らかに認めらるのであるが,その存続期間は正常皮膚のそれよりもやや短く,これは表皮のturnover time亢進と関係があるごとく推察された。
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