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文献概要
原著
皮膚悪性腫瘍のthymidine kinaseについて
著者: 武田克之1 佐川禎昭1
所属機関: 1徳島大学医学部皮膚科教室
ページ範囲:P.229 - P.235
文献購入ページに移動はじめに
thymidineはnucleosideの1つであり,DNAにのみ選択的に取り込まれることが知られ,DNAの合成あるいは分解過程の解明に主役を演じてきた。
3Hで標識したthymidineがHughes, Vereleyらにより紹介され,細胞レベルでの分解能の高いautoradiogramの作製が可能となつてから,3H-thymidineは生化学的研究のみならず,細胞増殖または新生交代機序などの研究に広く利用されるようになつた。前川・土屋らは3H-thimidineを用いて骨髄細胞の細胞回転を検索し,梅沢らは新しい抗癌剤Bleomycinの作用機転ならびに抗細胞作用を,Hela細胞,エールリッヒ癌細胞,大腸菌などの3H-thymidineとりこみで検討している。著者らも皮膚悪性腫瘍の治療研究の一環として,腫瘍組織14C-thymidineのとりこみを追求しているので,これまでの成績を中心に,臨床医の立場から悪性腫瘍のthymidine kinaseについて言及してみたい。
thymidineはnucleosideの1つであり,DNAにのみ選択的に取り込まれることが知られ,DNAの合成あるいは分解過程の解明に主役を演じてきた。
3Hで標識したthymidineがHughes, Vereleyらにより紹介され,細胞レベルでの分解能の高いautoradiogramの作製が可能となつてから,3H-thymidineは生化学的研究のみならず,細胞増殖または新生交代機序などの研究に広く利用されるようになつた。前川・土屋らは3H-thimidineを用いて骨髄細胞の細胞回転を検索し,梅沢らは新しい抗癌剤Bleomycinの作用機転ならびに抗細胞作用を,Hela細胞,エールリッヒ癌細胞,大腸菌などの3H-thymidineとりこみで検討している。著者らも皮膚悪性腫瘍の治療研究の一環として,腫瘍組織14C-thymidineのとりこみを追求しているので,これまでの成績を中心に,臨床医の立場から悪性腫瘍のthymidine kinaseについて言及してみたい。
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