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文献概要
原著
褐色色素斑が先行したボーエン病の1例
著者: 安江隆1 加藤廸彦1
所属機関: 1名古屋大学医学部皮膚科教室
ページ範囲:P.249 - P.252
文献購入ページに移動はじめに
前癌症ないし前癌性変化の1つとして,皮膚腫瘍群中特異な位置をしめるボーエン病も,最近は単にその悪性化に関してのみならず,内臓悪性腫瘍の合併1)や砒素との関係2)において注目され,その早期診断のため,臨床的,組織学的にいかなる初期病変を示すかを知ることが重要となつてきた。最近われわれは,10年前に先行皮疹として褐色色素斑を生じ,3〜4年前よりその1部に疣贅様変化,痂皮形成をみた42歳男子のボーエン病症例を経験したので報告する。
前癌症ないし前癌性変化の1つとして,皮膚腫瘍群中特異な位置をしめるボーエン病も,最近は単にその悪性化に関してのみならず,内臓悪性腫瘍の合併1)や砒素との関係2)において注目され,その早期診断のため,臨床的,組織学的にいかなる初期病変を示すかを知ることが重要となつてきた。最近われわれは,10年前に先行皮疹として褐色色素斑を生じ,3〜4年前よりその1部に疣贅様変化,痂皮形成をみた42歳男子のボーエン病症例を経験したので報告する。
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