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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科24巻3号

1970年03月発行

文献概要

原著

多彩な症状を呈したBehçet病の1剖検例

著者: 熊坂鉄郎1

所属機関: 1仙台逓信病院皮膚科

ページ範囲:P.253 - P.259

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はじめに
 Behçet病1)2)が3主徴(アフタ・陰部潰瘍・前房蓄膿を伴う再発性葡萄膜炎)以外に,他臓器に障害をきたすことはすでに諸家3〜7)によつて報告されている。すなわちNeuro-Behçet8)9)10),Intestinal Behçet11),Cardio-Behçet12)やAngio-Behçet13)3)等の名で呼ばれる,中枢神経系・消化器系・循環器系・血管系の侵襲をみても,本症の症状がいかに多様性を示すものであるかを物語つて余りある。
 皮膚における発疹も上記3主徴に優るとも劣らぬ発現がみられる所から,3主徴に皮膚を加えて4主徴とする考えがあり,皮疹は結節性紅斑型皮疹・血栓性静脈炎型皮疹および毛嚢炎ないし痤瘡様皮疹の3型またはその混合型で示される14)。上述したこれら多くの症状は再燃と寛解の反復を慢性遷延性にくり返し4),しかも大半が進行性の経過をとつて致命あるいは失明の終末を辿つている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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