文献詳細
〈原著論文抄録〉
文献概要
thymidineはnucleosideの1つであり,DNAの合成あるいは分解過程の解明に主役を演じる。thymidineからDNAに至る経路に多くの酵素があるが,thymidine kinaseは先ず最初に関与する酵素であり,細胞分裂と密接な関係が予測される。私らはPer Ekerの変法を用いて種々の悪性腫瘍のthymidine kinase活性を測定し,皮膚悪性腫瘍患者数例を対象に臨床経過を追つて本酵素の変動を追究した。本酵素は悪性腫瘍に特有の酵素ではないが腫瘍の細胞分裂・増殖を反映し,皮膚癌の臨床経過と明かな平衡関係が認められた。
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