文献詳細
文献概要
原著
先天性魚鱗癬様紅皮症(Epidermolytic Hyperkeratosis)の発症病理について—その電顕的検索
著者: 徳田安章1 大久保正己1
所属機関: 1信州大学医学部皮膚科教室
ページ範囲:P.369 - P.377
文献購入ページに移動先天性魚鱗癬様紅皮症は1902年のBrocqの報告以来報告例は決して稀ではない。その後魚鱗癬を主徴とする疾患の種類は漸次累積されて現在ではその主要なものが十種を越えている状態である。さらに最近の遺伝学の進歩はGene分析に肉迫し,分子生物学的な遺伝子の面とその伝達形式から疾患の分類配列の再編成をうながしている。近刊のRook, Wilkinson and Eblingの教本1),Jaddasohnの叢書のSchneyder und Klunkerの綜説2),Butterworth and Streanの著書3)などがそれである。しかし各々の本症に対する取り扱い方はまちまちであり,なお多くの疑念を抱かしめるのが現状であろう。
一方,病理発生についてはVan Scott一派4)5)6)は本症をEpidermolytic Hyperkeratosisとし,原因的にはLamellar Ichthyosisと同様と述べ,本症をして現象論的でなく病因論的に改めて見直さんとしている。
掲載誌情報