文献詳細
原著
文献概要
はじめに
Microsporum (以下「M.」) canisを起因菌とする皮膚白癬が,本邦の文献にはじめて登場したのは,1929年で,殷1)が米国帰りの子供の病巣から分離した菌株をM.lanosumとして発表したものである。しかし,本邦在住の患者からの分離は,1934年に,高橋(信)2)が,札幌において,小水庖性白癬を有する患者からM.Sapporenseとして得たものが,事実上の最初の例とされている。これらの菌は後にM.canisと同じものとされた3)。
本菌はその後も,主に北海道,樺太において分離されていた。上記以外の地域で本菌が分離されたのは,1952年に香川4)が,東京で得たのがはじめてである。その後も堀江5),柳沢ら6),垣内ら7)がそれぞれ東京において,本菌を得ている。しかし,上記の3地域以外からは未だ本菌に由来する皮膚白癬の報告はなされていない。
Microsporum (以下「M.」) canisを起因菌とする皮膚白癬が,本邦の文献にはじめて登場したのは,1929年で,殷1)が米国帰りの子供の病巣から分離した菌株をM.lanosumとして発表したものである。しかし,本邦在住の患者からの分離は,1934年に,高橋(信)2)が,札幌において,小水庖性白癬を有する患者からM.Sapporenseとして得たものが,事実上の最初の例とされている。これらの菌は後にM.canisと同じものとされた3)。
本菌はその後も,主に北海道,樺太において分離されていた。上記以外の地域で本菌が分離されたのは,1952年に香川4)が,東京で得たのがはじめてである。その後も堀江5),柳沢ら6),垣内ら7)がそれぞれ東京において,本菌を得ている。しかし,上記の3地域以外からは未だ本菌に由来する皮膚白癬の報告はなされていない。
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