文献詳細
原著
消化吸収障害の認められたジューリング疱疹状皮膚炎
著者: 内山道夫1 田代成元2 市井吉三郎2
所属機関: 1新潟大学医学部皮膚科教室 2新潟大学医学部第三内科教室
ページ範囲:P.467 - P.473
文献概要
ここ数年間,ジューリング疱疹状皮膚炎における小腸の異常が論じられている。本疾患において高頻度に,空腸粘膜に異常所見の認められることは,1966年Marksら1),により初めて記載されたところである。その後,英国,オランダにおいて,その検索がすすめられ,本疾患の多くの症例に,空腸粘膜の構造変化,機能異常が認めれている。このことは,消化管とジューリング疱疹状皮膚炎の病態発生との関連において,興味のあるところである。しかしながら本邦では,ジューリング疱疹状皮膚炎について,これらの検索がなされた例はみられない。
この度,我々もジューリング疱疹状皮膚炎の1例を経験し,空腸の生検と,2,3の消化吸収検査を行ない若干の考察を加えたので,ここに報告する。
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