文献詳細
原著
Post-steroid panniculitis
著者: 松岡滋美12
所属機関: 1慶応義塾大学医学部皮膚科教室 2立川共済病院皮膚科
ページ範囲:P.759 - P.765
文献概要
1949年,コーチゾンが関節リウマチ患者に初めて使用されてから,すでに20年を経過し,副腎皮質ステロイドホルモン剤(以下ステロイドと略す)は,現代医学に不可欠の存在となつたが,反面,ステロイドの副作用も数多く報告され,iatr-ogenic diseaseとして問題になつている。
1956年Smithら3)は,リウマチ熱および白血病患者におけるプレドニゾン投与中止後に生じたpanniculitisを初めて報告したが,1961年同様の症状を経験したSpagnuoloら4)は,これをステロイドの新たな副作用と考えて,post-steroidpanniculitls (以下P-SPと略す)と命名した。外国における本症の報告は比較的少なく,Roen-igkら2)によれば,1964年までに17例が発表されたにすぎない。本邦においては1961年以来,本症と考えられる症例が8例あり7)9)12)13)16)17)20)22),そのうち4例は皮膚科領域で報告されている7)9)16)17)。
掲載誌情報