文献詳細
原著
文献概要
はじめに
Makai1)は1928年,1歳半から8歳までの幼少児に,全身症状や圧痛を欠き,躯幹四肢に生じた皮下硬結の4観察例と1920年以後に発表された同様の皮下硬結をきたす疾患例をまとめてLipo-granulomatosis subcutaneaと命名した。しかるに,実はRothman2)がすでに1894年,小児にみられた,全身症状が軽微で皮下に硬結を生じた症例をÜber Entzündung und Atrophiedes subcutanen Fettgewebsと題して報告していた。これらに対してBaumgartnerおよびRiva3)は1945年,Pfeiffer-Weber-Christian syndromeと診断するには根拠の乏しい,病因不明の皮下に生ずる特発性炎症性変化で,ことにそれが可動性であり,熱発その他の全身症状を伴わない場合には,Rothman-Makai syndromeを考慮すべきであると報告して以来,にわかにこの名称が広まったようである。今回,躯幹に対称的に発生したほぼ典型的と思われる本症の1例を経験したので,以下に記載する。
Makai1)は1928年,1歳半から8歳までの幼少児に,全身症状や圧痛を欠き,躯幹四肢に生じた皮下硬結の4観察例と1920年以後に発表された同様の皮下硬結をきたす疾患例をまとめてLipo-granulomatosis subcutaneaと命名した。しかるに,実はRothman2)がすでに1894年,小児にみられた,全身症状が軽微で皮下に硬結を生じた症例をÜber Entzündung und Atrophiedes subcutanen Fettgewebsと題して報告していた。これらに対してBaumgartnerおよびRiva3)は1945年,Pfeiffer-Weber-Christian syndromeと診断するには根拠の乏しい,病因不明の皮下に生ずる特発性炎症性変化で,ことにそれが可動性であり,熱発その他の全身症状を伴わない場合には,Rothman-Makai syndromeを考慮すべきであると報告して以来,にわかにこの名称が広まったようである。今回,躯幹に対称的に発生したほぼ典型的と思われる本症の1例を経験したので,以下に記載する。
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