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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科25巻11号

1971年11月発行

文献概要

原著

棘細胞ガン死亡42例

著者: 石原和之1 緒方孝俊2 柳田英夫3

所属機関: 1国立がんセンター皮膚科 2国立がんセンター整形外科 3横浜市大皮膚科

ページ範囲:P.1061 - P.1067

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 国立がんセンターにおいて,過去8年弱に経験した原発性皮膚悪性腫瘍は,348例でその内訳は棘細胞ガン201例,基底細胞ガン58例,ページェット病19例,ボーエン病19例,悪性黒色腫32例,皮膚線維肉腫8例,カポジー肉腫1例,悪性リンパ腫18例,汗線ガン3例である。この内,棘細胞ガン201例について,おもに死亡せるものについて記載する。死亡者数は58例(男43,女15)で,その内,腫瘍死は42例(男30,女12)である。この42例について,性,年齢,誘因,発生部位,既治療,当院での治療,経過などについて記載し,併わせて全症例について,比較検討し,その死因の一端をうかがい,治療に役立てば幸いである。
 棘細胞ガンの全症例は201例(男145例,女56例)で,その中,重複ガンは7例(予宮ガン,胃ガン各2例,胃ガンと肝ガンの3重複ガン1例,甲状腺ガン1例,基底細胞ガンと喉頭ガンの3重複ガン1例)である。重複の因果関係は論ずるところではないが,放射線照射部位において,基底細胞ガン,棘細胞ガンおよび喉頭ガンの発生したことはあるいは一因かもしれない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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