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原著
結節性黄色腫(Familial Type Ⅱ)
著者: 藤田優1 麻生和雄1
所属機関: 1千葉大学医学部皮膚科教室
ページ範囲:P.1181 - P.1187
文献購入ページに移動 黄色腫とコレステロールの関係は,すでに1878年にQuinquandが3例の患者血液中にCholesterinの増加を確認しているが,病因としてコレステロールをとりあげたのは,これより約30年遅れたPinkus and Pickの報告である1)。その後Thannhauser,Lever2)の黄色腫ないしその周辺の疾患を高脂血症の立場から整理した分類は著名である。さらに近年,高脂血症は,コレステロール,トリグリセライドなど脂質そのものより,その転送に働くリポ蛋白の側から検討されるようになり,1967年Fredrickson3)は高脂血症をⅠ型からⅤ型の5つの型に分類した。著者らは結節性黄色腫のリポ蛋白分析によりFamilial Type Ⅱと診断した症例を紹介し,その概要ならびに成因について述べてみたい。
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