文献詳細
文献概要
特集 小児の皮膚疾患
小児の湿疹(定義,病型,分類)
著者: 筧秀夫1
所属機関: 1名古屋第一赤十字病院
ページ範囲:P.1259 - P.1264
文献購入ページに移動 筆者に与えられた命題,小児湿疹の定義,病型,分類については,内外多数の論述が繰り返されており,ここに更に浅学非才の記述を加えて煩を増すことに,いささか躊躇を感じているが,日常診療にたずさわりながら,また文献を読みながら,常々考えていることを,あまり先賢の説にこだわらずに,述べさせていただいて責を免がれたいと思う。
もともと小児湿疹を,概念的に成人の湿疹と切り離しているのは,皮疹の形態,経過,治療面などでの特殊性が認められるからであり,それは大部分,小児の皮膚の特異な生理的条件に基づくものと考えて差支えないであろう。従つて小児湿疹を理解し,これを定義づけるためには,小児の皮膚生理,あるいは病態生理に準拠することが最も必要であり,妥当な方法であろうと考える訳である。しかしながら,皮膚生理の研究は未だにこの要求を充足させる程には発展を見ていないようで,筆者が以下に試みる定義づけも,従つて充分な論拠を持つとはいい難いのが甚だ残念である。
もともと小児湿疹を,概念的に成人の湿疹と切り離しているのは,皮疹の形態,経過,治療面などでの特殊性が認められるからであり,それは大部分,小児の皮膚の特異な生理的条件に基づくものと考えて差支えないであろう。従つて小児湿疹を理解し,これを定義づけるためには,小児の皮膚生理,あるいは病態生理に準拠することが最も必要であり,妥当な方法であろうと考える訳である。しかしながら,皮膚生理の研究は未だにこの要求を充足させる程には発展を見ていないようで,筆者が以下に試みる定義づけも,従つて充分な論拠を持つとはいい難いのが甚だ残念である。
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