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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科25巻13号

1971年12月発行

文献概要

特集 小児の皮膚疾患

種痘疹の問題点

著者: 野口義圀1 千葉紀子1 内山光明1

所属機関: 1横浜市立大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.1355 - P.1367

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 痘瘡の予防法として,種痘(Jennerian va-ccination)は効果的であり安全なものとながく信じられてきた。おそらくその予防効果について疑問をもつ者は少なく,むしろ,いわゆる生ワクによる免疫の草分けとして高く評価されているものと思われる。
 種痘が安全であるというイメージがこわれたのは,昭和45年夏種痘による事故が多発し,これが種痘禍として社会問題化してからのことである。種痘の副作用に対しては,痘苗の改良,いわゆる特効薬としてのVIG (vaccinia immune globulin)およびマルボラン(Marboran)の輸入,第Ⅰ期種痘年齢の暫定的修正などの対策が示された。しかし,これらの施策はあくまでも対症的なものであり,なぜ種痘の副作用が起こるかという本質的な問題が忘れられている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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