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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科25巻2号

1971年02月発行

文献概要

薬剤

合成ACTH製剤による副腎皮質機能検査ならびに2,3の皮膚疾患の治療

著者: 大河原章1 水元俊裕1 高木章好1 青柳俊1 杉原平樹1

所属機関: 1北海道大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.163 - P.167

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 ACTHが39個のアミノ酸が直鎖状に結合したpoly-peptideであることは,1954年Bell1)が豚、Liら2)が羊のACTH構造を明らかにして以来広く知られている。1959年Leeら3)はさらにヒトのACTHのアミノ酸配列を明らかにした。天然のACTHを副腎皮質機能検査ならびに治療に用いるさい注意を要するのは,時にアレルギー反応を起こすことであるが,それはACTHのpolypeptideの部分によるというよりは,ACTHの中に含まれる不純物によることが多く,純化された合成ACTHには一応その心配はないとされている。39個のアミノ酸の中で1〜24番目までのアミノ酸は各種共通で動物特異性はない。合成ACTHはこの1〜24番目までのアミノ酸を有し、生物学的活性は天然のACTHに劣らず,すでに副腎皮質機能検査に,また副腎皮質ホルモン剤に代わつて治療に用いられている。
 今回われわれは合成ACTH (コートロシン)を副腎皮質機能検査に,合成ACTH-Z (コートロシンZ)を2,3の皮膚疾患に用いる機会を得たのでその成績を報告し,少しく考察を加える。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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