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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科25巻3号

1971年03月発行

文献概要

原著

水痘・帯状疱疹の抗体価と免疫グロブリン

著者: 熊坂鉄郎1 宮沢偵二1 樋渡久雄2 沼崎義夫3 安藤弘一3 茂田士郎4

所属機関: 1仙台逓信病院皮膚科 2仙台逓信病院検査室 3国立仙台病院ウイルスセンター 4東北大病院中央検査部

ページ範囲:P.239 - P.244

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 これまでherpes属virusの疾患といえば,herpes simplex,herpes zoster,varicellaを考えればよかつたが,最近においては,この考えはもつと拡大しなければならない。すなわちherpes型のvirusにcytomegalo virus1),EBvirus2)の2者が関心を持たれるようになり,herpes virusによる疾患は,今や再認識・再評価されてきつつある。
 cytomegalo virusの場合は,風疹ウイルスと同様に胎児の奇型の一因をなすものであり,その感染型式は従来知られているherpes virusによる感染とまつたく異なり,妊娠後期になつて,母体より胎児へと垂直感染を起こすことが知られている3)。またEB virusが原因とされているアフリカン・バキットリンパ腫は,悪性腫瘍であるにもかかわらず,自然あるいは治療による退縮のしばしばみられる特異な疾患4)である。このような新らしいherpes virus感染症における個体の免疫反応については,従来知られているherpes virus感染症と比較して興味あるところであるが,今日までその詳細はまつたく明らかでない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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