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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科25巻4号

1971年04月発行

文献概要

原著

Malignant hemangioendothelioma

著者: 堀嘉昭12 石橋康正1 新村真人1 池田重雄1

所属機関: 1東京大学医学部皮膚科教室 2北里大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.331 - P.339

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 血管由来の悪性腫瘍は,はなはだまれな疾患である。血管を構成する内皮細胞から由来した悪性腫瘍が,malignant hemangioendothelioma悪性血管内皮細胞腫であり,一般に本腫瘍の好発部位は,顔面,頭部で,老人に多くみられ1,2),肺,肝,骨などに転移して急速に死の転帰をとる3)。もちろん,若年者にもみられるし4),頭部,顔面以外の部位にも原発する5)。血管に由来する悪性腫瘍がまれであるためか,その術語には,統一を欠く。たとえば,malignant hemangioendoth-eliomaを,angiosarcomaと同義語とするもの2,5)と,両者を別のentityの疾患名として用いるもの6)とがある。
 血管由来の悪性腫瘍としては,hemangioend-othelioma-angiosarcomaと異なるものとして,malignant hemangiopericytomaがあるが,この概念はかなり把握し難い。またKaposiの肉腫は,その臨床所見,経過,組織学的所見にhem-angioendothelioma-angiosarcomaと異なる点があるにせよ7),また腫瘍細胞が未分化であり,分化傾向の特徴をつかみ難い場合には,鑑別診断が困難となり,そこに諸説の唱えられる余地が生ずる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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