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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科25巻4号

1971年04月発行

文献概要

検査法

Kveim反応

著者: 北郷修1

所属機関: 1東京都立駒込病院

ページ範囲:P.353 - P.358

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Kveim反応の歴史とその特異性
 1941年Kveim1)はサルコイドージスの患者のリンパ節を摘出磨砕し,加熱滅菌して懸濁液とし,13例のサルコイドージス患者の皮内に注射した。その内12例に9日から4週間後に小丘疹が発生し,その組織像がサルコイドージスのそれと類似していることを発見した。しかも尋常性狼瘡を含む対照例には,このような小丘疹が発生しないことを確認している。Appel2)(1941)の報告によれば,Nickersonはサルコイドージス患者の脾臓懸濁液を皮内注射して小結節が発生することを観察し,組織学的に類上皮細胞集団を認めた。よいKveim抗原であれば症状が活動期にあるサルコイドージスの患者では高い陽性率を示す。
 Siltzbachら3)および広川,水野4)は多くの報告を総括して,Kveim反応の特異性はかなり高く,サルコイドージス以外の疾患で陽性反応を起こす率は低いと述べている。Chase5)およびSilt-zbach3)が脾臓から作製した抗原は非常に優秀なものであつて,確実なサルコイドージスの症例165例中139例すなわち84%が陽性,サルコイドージスが疑われる症例282例中52%が陽性,結核63例中1例(2%)が陽性,その他の疾患(結核を含むこともありうる)240例中1例が陽性であつた。したがつて疾患特異性は相当に高いものではあるが,非特異反応もありうることを常に念頭においておく必要がある。またサルコイドージスの病変が,最盛期の場合にKveim反応が陽性になりやすく,消褪期には陰性となる傾向が認められる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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