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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科25巻4号

1971年04月発行

文献概要

シンポジウム アレルギー性接触皮膚炎における抗原形成(2)

Haptenと表皮アミノ酸

著者: 野原望1

所属機関: 1岡山大

ページ範囲:P.369 - P.375

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 アレルギー性接触皮膚炎の発症メカニズムを探ろうとする場合,抗原の側からの問題としては,ハプテンと表皮性蛋白との結合の問題が焦点となるのは当然のことでありましよう。あいにくわたくしには,この問題に直接関連をもつような実験成績の持ち合せがありませんが,ただこれまで,ヒトや動物の表皮とか,また表皮細胞の最終生成物である角質,これは表皮にみられる特異な複合蛋白でありますが,これらについてその蛋白部分のアミノ酸分析をかなり詳しく検索してみたことがありますので,それらの観察結果をまとめてご紹介したいと思います。
 材料(表1)は1)熱分離したヒト表皮,2)ギプスでおおつた皮膚に生じてくる鱗屑,乾癬の鱗屑,3) callus,4)乾癬の鱗屑,5)紅皮症の鱗屑の5種ですが,この他に後に出てきますように動物の材料も用いております。炎症性あるいは病的なといいますか,そういう材料としては,4)とか5)とかいうものを一応それと考えて,これから話を進めたいと思います。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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