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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科25巻5号

1971年05月発行

原著

悪性リンパ腫に対する真菌菌体内外成分の効果

著者: 渡辺昌平1 森田吉和1 須藤直文1

所属機関: 1天理病院皮膚科

ページ範囲:P.477 - P.483

文献概要

 悪性リンパ腫の治療としては現在,放射線療法および種々の抗腫瘍剤による化学療法が行なわれている。個々の腫瘍に対する放射線療法の効果には刮目すべきものがあるが,非照射部位に陸続として発生し,療法中止後の再発も多く,生命に対する予後に関してはこの療法の限界を感じさせる。化学療法もまた次々と新薬が登場するが,効果,副作用の点を勘案すれば,真に患者に福音を与えるにはいまだしの印象を受ける。
 われわれは昭和41年にGottronのReticulo-sarcomatoseに相当する一症例に遭遇した。この患者は本院を訪れる前にすでに他医療機関でendoxanを長期にわたつて注射していたが,改善されず,当院での初診時には皮疹が全身諸所に多発し,全身倦怠感も著しく,処置に困惑する状態であつた。この症例に真菌菌体内外成分を3種類作製,連日皮内注射を行なつたところ,顕著な効果が認められ,約1年後には皮疹がほとんど消失し,4年後の現在ではまつたく異常を認めることなく元気に生業に励んでいる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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