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表皮の脂質研究法
著者: 大城戸宗男1 花岡宏和2 松尾聿朗3
所属機関: 1名古屋市立大学医学部皮膚科教室 2横浜警友病院皮膚科 3慶応義塾大学医学部皮膚科教室
ページ範囲:P.535 - P.542
文献購入ページに移動われわれ皮膚を対象とするものが,表皮細胞で行なわれている生理,生化学,アレルギーひいては病態生化学上の知見のアプローチを蛋白質に求めても,表皮蛋白の多くは不溶性であり,また研究法の導入が遅れている今日,抽出が容易な脂質に眼が向けられるのは当然である。もつとも,簡単に抽出された脂質を分析した結果から--特に材料の入手が患者の負担にならず,しかも量的に十分とれる皮表脂質を調べた結果から--表皮内の代謝を知ろうとするのは相当な危険があつて反省させられる3)。そのため今後脂質研究法が発展するにつれ,生体内にあるがままの状態で検討されるべきではあるが,それ以前に,現在の常識化された方法を用いても生化学的に不明な点が多く解決されるであろう。脂質分析法に関し,本誌上でも佐藤ら4)が脂腺機能検査法と題して詳述しているが,ここでは表皮を対象としたさい,いかなる点に留意しながら材料を処理したらよいかを中心として,われわれが得た経験3,5〜11)を再検討して紹介する。
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