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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科25巻6号

1971年06月発行

文献概要

原著

セリ科植物Centella asiatica抽出成分asiaticoside(madecassol®)の汎発性鞏皮症に対する臨床効果と作用機序とくに線維芽細胞に及ぼす影響について

著者: 佐々木宗一郎1 新海浤1 明石幸雄1 岸原幸子1

所属機関: 1神戸大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.585 - P.593

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 近年各種結合織疾患に対する関心が亢まり多くの業績があるが,その病因は依然として不明で,その治療法にも確たるものがない。とくにその内いわゆる膠原病とされる疾患では,難治かつ予後も不良で,日常その対策に窮することがしばしばである。
 このたび,古代よりマダカスカル島,印度などにおいて創傷治療の民間薬として知られていたセリ科植物(Centella asiatica)の抽出成分asiaticosideを主薬とするmadecassol®がフランスにおいて開発され,ケロイドなどの治療剤として登場してきた。本剤は1941年Bontemsによりその有効成分が単離され,化学構造はDevanne,Ledererらにより図1のごとく決定され,1946年Ratsimanmangaにより基礎薬理学的作用が明らかにされている1)。臨床的にはフランス,南米諸国,エジプトなどにおいてケロイド,肥厚性瘢痕の治療に用いられ,創傷治癒の促進の調整,間葉系および外胚葉系組織における賦活作用などの実験報告が多くみられるようになつた1〜4)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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