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〈原著論文抄録〉
先天性皮膚カンジダ症の1例,他
著者: 河村俊光1 深田馨子1 関藤成文1
所属機関: 1武蔵野赤十字病院皮膚科
ページ範囲:P.619 - P.619
文献購入ページに移動自験例では,母親の妊娠中の経過は異常なかつたが,破水より分娩まで約9時間を要し,また中等度の羊水混濁が認められた。皮疹は軽度の瀰慢性紅斑と,多数の粟粒大の漿液性丘疹および小水疱が播種状に見られ,あたかも中毒疹を思わせる状態であつた。さらに1〜2日後には多数の膿疱が出現,次第に増強した。これらの所見は特に顔面に顕著で,膿疱は他部位より大きく,融合傾向が認められた。また生後数日に,口腔の両側頬粘膜に,数個ずつ半米粒大の白色偽膜様病変を認めたが,爪囲爪炎はなかつた。皮疹,口腔粘膜病変および母親の腟分泌物より,培養によつてCandida albicansを検出した。組織学的には,角層下に水疱形成,角質増殖,一部に海綿状態などが見られ,またPAS染色で角層内に胞子および菌糸状の菌要素を認めた。治療は抗白癬剤の外用を行ない,約25日後に治癒した。
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