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文献概要
原著
特異な病像を示したErythrokeratodermieの1例
著者: 籏野倫1 清水夏江1
所属機関: 1慶応義塾大学医学部皮膚科教室
ページ範囲:P.857 - P.862
文献購入ページに移動 紅斑角化症は一部の典型を除きその臨床像が多彩であることと比較的稀有な疾患であるために,諸家により2,3の分類が試みられているとはいえ,なおそれははなはだ不完全なものである。
私どもは紅斑・角化を主徴とする11歳男児例で,その皮膚所見が既往の報告のいずれにも合致せず,しいてあげるならばErythrokeratoder-mia variabilisのうちのNicolas-Jambon型の記載に類似するも,胸背部の線状の配列,注射痕,生検痕に一致する発疹の新生などは,むしろBorzaおよびVinkosの記載するErythrokeratoderma ichthyosiforme variabile mitcharakteristischem isomorphem Reizeffektにはなはだ近似すると考えられる症例を経験したので,この診断を下すに至つた過程を鑑別診断を含めてここに報告する。
私どもは紅斑・角化を主徴とする11歳男児例で,その皮膚所見が既往の報告のいずれにも合致せず,しいてあげるならばErythrokeratoder-mia variabilisのうちのNicolas-Jambon型の記載に類似するも,胸背部の線状の配列,注射痕,生検痕に一致する発疹の新生などは,むしろBorzaおよびVinkosの記載するErythrokeratoderma ichthyosiforme variabile mitcharakteristischem isomorphem Reizeffektにはなはだ近似すると考えられる症例を経験したので,この診断を下すに至つた過程を鑑別診断を含めてここに報告する。
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