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原著
石灰化表皮腫について
著者: 白岩照男1
所属機関: 1関東逓信病院皮膚科
ページ範囲:P.869 - P.875
文献購入ページに移動 石灰化表皮腫は1881年MalherbeおよびChenantaisにより"Epitheliome calcifie desglandes sebacees"と名付けられ,皮脂腺由来の腫瘍として報告せられたが,その後の研究によつて本症は毛母細胞から生じたもの,ないしは第1次上皮芽から毛への分化を示す腫瘍と考えられ,また石灰化が必発でない点からPilomatri-xomaの名称も与えられている。本邦では新妻6)らが,肥田,佐藤の本邦第1例以来の78例を集めて検討し,さらに丸山ら7)も18例を報告している。これらの報告によれば本症は20歳代の若年者に多く,上肢,顔面に多いとされているが,われわれは昭和42年以来4年間に本症14例を経験し,本症は乳幼児の顔面,ことに眉毛部,耳前部に好発するなど臨床的に興味深い所見を得たので,組織学的所見とともに文献的考察を加えて報告する。
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