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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科25巻9号

1971年09月発行

文献概要

原著

紅皮症型毛孔性紅色粃糠疹の1例

著者: 高島巌1 青柳俊1 村戸克郎1 水元俊裕1

所属機関: 1北海道大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.877 - P.882

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 毛孔性紅色粃糠疹(PRP)は,比較的まれな炎症性角化症である。秋山1)は,昭和41年,本邦で122例,慶大で昭和40年までの10年間に30例,Stuttgen2)はSchuermanの報告として,1889年から1963年ころまでに世界文献に346例,Wel-tonら3)は,米国での26,986例の皮膚疾患中に1例もなく,Grossら4)は,1920年から1967年までの英語文献に約300例,Davidsonら5)は,MayoClinicで1929年から1967年の間に57例と報じている。
 本症は,肢端,肘頭,膝蓋の炎症性角化を主とする疾患で,しばしば全身に拡大して紅皮症に発展することはよく知られており,欧米の成書,広本のかかげる臨床写真には,紅皮症型のものが多いが,わが国では紅皮症型を示すものは比較的まれなものと考えられ,日本皮膚科全書の紅皮症の項に,鑑別の対象となる疾患として取りあげられていないばかりか,わが国の教科書,図譜などにみられる臨床写真も,ほとんど肢端,肘膝型に限られている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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