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論説
皮膚疾患と補体
著者: 河島敏夫1
所属機関: 1都立大久保病院皮膚科
ページ範囲:P.57 - P.63
文献購入ページに移動 補体ははじめ抗体の作用を補足する血清中の蛋白として認識されたが,その後多くの研究により,現在では逆に疾患の発現機構に参与する一因子として脚光をあびるに至つている.すなわち現在では九つの蛋白と,三つのinhibitorからなり,それらの精製分離が次第に可能になるとともに,それぞれの生物学的活性も徐々に明らかにされてきた.九つの補体蛋白は抗原抗体結合物と一定の順序で反応し,その中間段階で,immuneadherence, anaphylatoxin, chemotactic fac-tor, immune phagocytosisなど種々の免疫反応をおこすことが明らかにされてきた1).
臨床疾患においても,SLE2)3)4)や急性腎炎5)6など一部の疾患では,補体価や補体成分値の測定が行なわれ,病変組織の免疫グロブリンやβ1E−,β1c(A)−グロブリンなど補体蛋白の所見と合わせて,補体が疾患にどのように関与しているかが明らかにされてきた.
臨床疾患においても,SLE2)3)4)や急性腎炎5)6など一部の疾患では,補体価や補体成分値の測定が行なわれ,病変組織の免疫グロブリンやβ1E−,β1c(A)−グロブリンなど補体蛋白の所見と合わせて,補体が疾患にどのように関与しているかが明らかにされてきた.
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