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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科26巻10号

1972年10月発行

文献概要

原著

Klippel-Trenaunay母斑症に発生したKaposi肉腫

著者: 高木章好1 福井清美1 村上耕喜1 浜本淳二1

所属機関: 1北海道大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.917 - P.922

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 Kaposi肉腫は1872年M.Kaposiが"idiopa-thic multiple pigment sarcoma of the skin"として報告して以来,特異な臨床経過と多彩な病理組織学的所見とのため注目をあつめ,種々の異名のもとに多くの報告をみるが,今日ではKobner(1891)の命名によるsarcoma idiopathicum mu-ltiplex haemorrhagicum(Kaposi),あるいはKa-posi肉腫としてよく知られている.Dutzら1)は1960年までに報告された全症例を集計し,1,256例としているが,その後も海外において本症の報告は数多くなされている.本邦においては,大島(大正8年)の報告を嚆矢とし,現在までわずか38例の報告をみるにすぎない.さらに合併疾患としては,Hodgkin病,lymphosarcoma,lympha-tic leukaemia等1,2)が多く,まれにmuhiplemyeloma3),aplastic anaemia4)があり,その他,内臓諸器官の悪性腫瘍の併発も指摘されている2,5).本症は毛細血管由来の腫瘍であるとする報告もあるが5,6),血管腫に発生したKaposi肉腫の報告はきわめて少なく,過去10年間の内外の文献を渉猟するに,Klippel-Trenaunay母斑症の血管腫から発生したとするSzegoらの1例7)を見るにすぎない.今回著者らは同様にKlippel-Trenaunay母斑症から発生したKaposi肉腫の1例を経験したので報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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