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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科26巻10号

1972年10月発行

文献概要

原著

単純性疱疹の臨床的観察

著者: 吉岡郁夫1

所属機関: 1福島生協病院皮膚科

ページ範囲:P.937 - P.940

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 単純性疱疹Herpes simplex (HSと略す)の臨床的統計的研究はわが国では少く,帯状疱疹の発生状況との比較の資料として使用されているにすぎず,比較的最近では小原(1963)の報告があるのみである.しかし著者がHSについて観察した目的は,これに関する報告が少ないからではなく,HSの中で最も多い口唇ヘルペスHerpeslabialis(HLと略す)の発生部位に興味をもつたからである.
 口唇はその外面を顔面皮膚,内面を口腔粘膜によつておおわれ,その間に皮膚と粘膜の移行部,すなわち口唇移行部(口唇縁) lip margin;seamof the lipがある,口唇移行部は発生学的に外皮部と粘膜部の両方に由来するものであり,成人では表面が平滑であるが,胎生後期には1つの溝によつて外帯outer zoneと内帯inner zoneとに分れている.従来HSの好発部位は単に皮膚粘膜移行部と記載されていたが,著者はこのような口唇の形態学的特性に着目し,HLの発生状態について観察したので報告し,あわせてHSの統計的観察の結果について述べてみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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