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原著
播種性黄色腫とその周辺
著者: 滝沢清宏1 富沢尊儀2 安西喬3
所属機関: 1東京大学医学部皮膚科教室 2関東労災病院皮膚科 3関東労災病院
ページ範囲:P.1085 - P.1098
文献購入ページに移動組織学的には,真皮における組織球,泡沫細胞,多数のTouton型巨細胞および炎症性細胞よりなる肉芽腫性病変で,初期の段階では,組織球の浸潤が主体をなすことから,本症の一次的病変として,肉芽腫形成性の網内系組織球浸潤(一種の細網内皮症)が挙げられ,組織球への脂質蓄積は二次的なものとされている1).したがつて,他の組織球浸潤性疾患,特にHistiocytosis X, Ncvoxanthocndothelioma, Histiocytoma cutis, Reticulohistiocytomaとの関連が問題となる.著者らは,本症と診断した1例を報告し,これと近縁の疾患との関連につき考察を加えたい.
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