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原著
Cafe au Lait Spotsを伴えるNevoxanthoendotheliomaの1例並びにNevoxanthoendothelioma本邦報告例50例とXanthoma Disseminatum同23例との統計的観察—両症の鑑別に関して
著者: 最上晋1
所属機関: 1仙北組合総合病院皮膚科
ページ範囲:P.1099 - P.1105
文献購入ページに移動 1912年McDonagh1)がjuvenile xanthomaと異なる黄色腫5例を集めて報告し,nevoxanthoendotheliomaなる名称を提起して以来,その発症病理に関して多くの紛糾を呼びながらも,今日その独立性はほぼ容認されるところとなつている.しかしながら,本症のclinical entityとして挙げられている諸点は,しばしばxanthoma disseminatumと相通ずる事が多く,夫々定形像をとる時には両症の鑑別にさして困難を感ずることはないにせよ,境界線上の臨床像をとる時にはその症例の帰属に困却することがある.著者は先にトルコ鞍の拡大を伴つた本症の1例を本誌に報告したが,今回自験第1例2)と臨床的に聊か趣きを異にする本症を経験した.第2例の診断にあたつて,両症の画然たる鑑別の手掛りを得るために,自験2例を加えたnevoxanthoendothelioma本邦報告例2〜41)51例およびxanthoma disseminatum同23例42〜61)について統計学的に比較検討し,ある程度の結果を得たので,ここに報告する.
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