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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科26巻12号

1972年12月発行

文献概要

〈原著論文抄録〉

播種性黄色腫とその周辺,他

著者: 滝沢清宏1 富沢尊儀1 安西喬1

所属機関: 1関東労災病院皮膚科

ページ範囲:P.1149 - P.1149

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 播種性黄色腫(Xanthoma disse-minatum)は,正脂血性皮膚粘膜黄色腫のまれな1型であり,その一次的病因として,肉芽腫形成性の網内系組織球浸潤が挙げられ,組織球への脂質蓄積は二次的なものとされる.この意味で,本疾患は,他の組織球浸潤性疾患,特にNevoxanthoendothelioma(N. X. E.)およびHand Schuller-Christian病(H. S. C.)と混同されることがままある.著者らは,本疾患と思われる1例を経験した機会に,その位置付けを明確にする為,文献的検討を行なつた.
 本疾患を1独立疾患とするには,種々の問題はあるが,皮膚粘膜を侵す予後良好の慢性疾患で,その典型像は,N. X. E.,H. S. C. と区別され得るものと考えたい.自験例の治療にステロイドを用いて著効をおさめ得たことは,本疾患を1種の細網内皮症とする説の論拠の一つとなるかも知れない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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