文献詳細
〈原著論文抄録〉
文献概要
播種性黄色腫(Xanthoma disse-minatum)は,正脂血性皮膚粘膜黄色腫のまれな1型であり,その一次的病因として,肉芽腫形成性の網内系組織球浸潤が挙げられ,組織球への脂質蓄積は二次的なものとされる.この意味で,本疾患は,他の組織球浸潤性疾患,特にNevoxanthoendothelioma(N. X. E.)およびHand Schuller-Christian病(H. S. C.)と混同されることがままある.著者らは,本疾患と思われる1例を経験した機会に,その位置付けを明確にする為,文献的検討を行なつた.
本疾患を1独立疾患とするには,種々の問題はあるが,皮膚粘膜を侵す予後良好の慢性疾患で,その典型像は,N. X. E.,H. S. C. と区別され得るものと考えたい.自験例の治療にステロイドを用いて著効をおさめ得たことは,本疾患を1種の細網内皮症とする説の論拠の一つとなるかも知れない.
本疾患を1独立疾患とするには,種々の問題はあるが,皮膚粘膜を侵す予後良好の慢性疾患で,その典型像は,N. X. E.,H. S. C. と区別され得るものと考えたい.自験例の治療にステロイドを用いて著効をおさめ得たことは,本疾患を1種の細網内皮症とする説の論拠の一つとなるかも知れない.
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