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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科26巻2号

1972年02月発行

文献概要

原著

Weber-Christian病における免疫学的検討

著者: 金子史男1 伊藤俊輔2 永井盛人3

所属機関: 1北海道大学医学部皮膚科学教室 2市立札幌病院皮膚科 3浜松日赤病院皮膚科

ページ範囲:P.107 - P.111

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 Weber-Christian病(以下W-Chr.病と略す)の本態は明らかでないが,近年その病因論において膵疾患との関連1〜3),脾の小動脈におけるonion skin lesionの発見4),腎糸球体におけるhematoxylin body, wire loop様変化5),リポイドネフローゼ様変化6,7)から本症は膠原病として考えられて来ており,臨床的にリウマチ8),全身エリテマトーデス9),皮膚筋炎10),鞏皮症4),多発性血管炎11)などとの合併が報告されている.また,本症患者に慢性細菌感染症を伴うものがあり,その多くがむし歯12〜16),慢性扁桃炎,中耳炎,虫垂炎で,さらには結核の合併17)も報告されている。組織学的には血管炎,血管壁のフィブリノイド変性の報告が多く,飯島18),佐野19),佐藤20)らはその原因を感染アレルギーに求めている.
 著者らはこれらの観点からW-Chr.病の1例について2,3の免疫学的検索を行ない,細胞性免疫不全状態の存在を推定し得たので,文献的考察とともに自験例を報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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