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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科26巻2号

1972年02月発行

文献概要

〈原著論文抄録〉

Weber-Christian病における免疫学的検討,他

著者: 金子史男1 伊藤俊輔1 永井盛人1

所属機関: 1北海道大学医学部皮膚科

ページ範囲:P.175 - P.175

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 Weber-Christian病の本能は不明であるが,本症患者に慢性細菌感染症を伴うことが多く,局所病巣部の組織学的所見には血管炎,血管壁フィブリノイド変性が認められることから感染アレルギーの関与が推定される.
 著者らはWeber-Christian病の1例,25歳女子に,2,3の免疫学的検索を行なつた.すなわち,躯幹,四肢の結節性紅斑様皮疹は組織学的にリンパ球,組織球を中心とする脂肪織炎と,血管壁のフィブリノイド変性を,末梢血では著るしい貧血と,白血球減少,特にリンパ球の減少をみた.骨髄ではリンパ球系の軽度の減少,顆粒球系の成熟抑制,赤芽球系の優性を示していた.全経過中を通じて,気管支炎,肺炎,帯状疱疹などの細菌,ウイルス性感染症に罹患しやすく,血清抗体では免疫グロブリンの上昇と,補体系の減少がみられ,細胞免疫系ではツベルクリン反応の陰転化,著明な血中リンパ球の減少を示していた.リンパ球培養によるPHA反応は軽度の低値を示した.DNCBによる皮膚感作は不成立であつた.剖検は出来なかつたが,文献的に本症のリンパ節,脾の組織所見報告ではリンパ沪胞の極度の萎縮が証明されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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