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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科26巻3号

1972年03月発行

文献概要

原著

Reiter症候群

著者: 赤井昭1 村川英三2

所属機関: 1県立ガンセンター新潟病院皮膚科 2県立ガンセンター新潟病院内科

ページ範囲:P.203 - P.209

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 1916年Reiter1)の報告以来,尿道炎,結膜炎,関節炎を併せ持つた疾患のあることが知られReiter症候群ないしReiter病と呼ばれて来ており,今日では各病変が成書にも詳述されている.一方,症例報告が重ねられるにつれ本症候群では稀れならず皮膚病変を見ることが知られて来た.その発生頻度は報告者によりかなりの開きがあるが,16例を長期観察した経験を持つWeinbergerら2)はその中の10例に皮膚病変を認めており,またHollander3)は,注意していれば高い頻度にこれが見い出されることを指摘している.しかるに本症皮膚病変についてはまことに断片的な記載が多く,本症候群の発生頻度が低いことに加えて患者が皮膚科医の目に触れる機会がさらに少なく,一方その外観は多彩を極めることなどがその理由かと考える.Reiter症候群の皮膚病変を知るに役立つのはかろうじてWeinbergerら2)の記載であり,本邦では西岡ら4)の報告も貴重なものと考える.そもそも本邦におけるReiter症候群の症例報告は1948年,黒田5)によるものが最初であり,未だ症例数も少ない.
 著者らは最近著明な皮膚病変を伴つたReiter症候群の1例を経験し,皮疹のほぼ全貌を観察することができたので報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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