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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科26巻7号

1972年07月発行

原著

皮膚症状を伴つた骨好酸球肉芽腫

著者: 鷲尾勝1 諸橋正昭1 長場雅男2

所属機関: 1新潟大学医学部皮膚科教室 2新潟大学医学部耳鼻咽喉科教室

ページ範囲:P.599 - P.610

文献概要

 骨好酸球肉芽腫(Eosinophilic granuloma ofbone,以下E-Gと略す)は良性の経過をとる限局性の単発性または,多発性の破壊性骨病変を特長とする疾患で,1940年,Ohtani & Ehrlich1),Lichtenstein & Jaffe2)によつてそれぞれ別々に独立疾患としての研究の基礎が築れたものである.その後,E-G,Hand-Schullcr-Christian病(以下H-S-Chr病と略す),Letterer-Siwe病(以下L-S病と略す)3疾患の関係が問題となり,これらを同一原因により発生する疾患群としてとらえ,Histiocytosis X3)またはReticulogranuloma4)などの総括名の提唱がなされているが,なお異論5〜10)もある現状である.おれおれは,最近,2歳3カ月の男児の側頭骨に単発し,病理組織学的にも典型的なE-Gで,原発巣を手術的に治癒せしめた後に,皮疹を併発した1例を経験し,電顕的検索をも行つたので,これを報告するとともに,主としてE-Gにみられる皮疹の意義と,これと関連してE-GのHistiocytosis Xの中における位置づけについて2,3の文献的考察を行いたいと思う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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