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原著
骨好酸球肉芽腫における皮膚病集内浸潤細胞の電顕的観察
著者: 諸橋正昭1 鷲尾勝1
所属機関: 1新潟大学医学部皮膚科教室
ページ範囲:P.611 - P.620
文献購入ページに移動 著者らは,最近2歳3カ月の男児で,左側頭骨の骨好酸球肉芽腫(Eosinophilic granuloma ofbone,以下E-Gと略す)の摘出術後,組織学的,電顕学的にLetterer-Siwe病(以下L-S病と略す)に類似の像を示した丘疹が,皮膚に多発した1例を経験し,このような事実は個体側の因子の差異,あるいはその変動,さらにまた侵襲臓器によつて組織像──反応状態が異なることによつて招来されたものと考え,E-G,Hand-SchullerChristian病(以下H-S-Chr病と略す),L-S病は基本的には同じ病的過程によつて発生する疾患で,それらは,異つた病相のものであろうとの説を支持するものとの見解を本誌(26巻,7号,昭和47年)に報告した.
今回は先の報告の中に一部触れたが,丘疹の病巣内に密に浸潤していた組織球性細胞とみられる比較的大きい,楕円形または多角形,腎形のクロマチンに富む核をもつ単核細胞中に電顕的に認められたランゲルハンス細胞顆粒について,電顕用回転傾斜装置をも用いて観察し,その生成について検討,さらにE-G,H-S-Chr病,L-S病,そして表皮ランゲルハンス細胞顆粒について比較検討を行なつたので報告する.
今回は先の報告の中に一部触れたが,丘疹の病巣内に密に浸潤していた組織球性細胞とみられる比較的大きい,楕円形または多角形,腎形のクロマチンに富む核をもつ単核細胞中に電顕的に認められたランゲルハンス細胞顆粒について,電顕用回転傾斜装置をも用いて観察し,その生成について検討,さらにE-G,H-S-Chr病,L-S病,そして表皮ランゲルハンス細胞顆粒について比較検討を行なつたので報告する.
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