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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科26巻8号

1972年08月発行

原著

先天性皮膚欠損を伴つた表皮水疱症の1例

著者: 吉永和恵1 青木寛2

所属機関: 1日本大学医学部皮膚科学教室 2都立豊島病院皮膚科

ページ範囲:P.689 - P.695

文献概要

 先天性表皮水疱症で,生下時皮膚欠損の見られるものとしては,致死性表皮水疱症がある.しかし比較的速かにほとんど瘢痕を残さずに治癒する生来性の皮膚欠損を有し,生後水疱が出没し,また瓜の異常を頻繁に伴い,良性経過をとる臨床型を1966年Bart1)はAnew syndrome-congenitalIocalized absence of skin and associated abnor-malities resembling epidermolysis bullosaの名称の下に記載している.すなわちBartは遺伝学的な立場に立脚し,5世代にわたる104人を追跡し,これまで記載されている先天性表皮水疱症とも先天性皮膚欠損症とも異る1症候群と考えた.我々はBartの記載した新症候群と同一と考えられる1症例を経験し,臨床および病理組織学的検討ならびに遺伝関係より,優性遺伝性栄養障害型先天性表皮水疱症の特異型としてなんらさしつかえないと考えてここに報告し,併せてEpidermolysisbullosa dystrophica hypcrplas-tica (Touraine)との異同につき若干の考察を試みた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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