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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科26巻8号

1972年08月発行

論説

ムコ多糖の構造と同定法

著者: 瀬野信子1

所属機関: 1お茶の水女子大学理学部

ページ範囲:P.723 - P.731

文献概要

 ムコ多糖(mucopolysaccharide)という名称はK.Meyer1)によつて初めて用いられ,古くからムチンとかムコイドと呼ばれていた粘稠な動物高分子物質が,いずれもアミノ糖を含むことに注目し,アミノ糖を含む複合多糖体に対して名付けられた,ムコ多糖のうち,化学的によく研究されているのは酸性基をもつ酸性ムコ多糖(狭義のムコ多糖)で,硫酸基の有無によつて非硫酸化ムコ多糖と硫酸化ムコ多糖に分類される(表1).
 これらのムコ多糖は動物の結合組織の基質および体液中に多量に存在し,動物の形態形成にあずかり,外部からの衝撃から保護し,また細胞間を移動する水分や電解質の調節および石灰化に関与していると考えられる.このほかヘパリンのように血液凝固阻止作用や脂血清澄作用をもち,臨床上用いられているものもある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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