文献詳細
論説
文献概要
ムコ多糖(mucopolysaccharide)という名称はK.Meyer1)によつて初めて用いられ,古くからムチンとかムコイドと呼ばれていた粘稠な動物高分子物質が,いずれもアミノ糖を含むことに注目し,アミノ糖を含む複合多糖体に対して名付けられた,ムコ多糖のうち,化学的によく研究されているのは酸性基をもつ酸性ムコ多糖(狭義のムコ多糖)で,硫酸基の有無によつて非硫酸化ムコ多糖と硫酸化ムコ多糖に分類される(表1).
これらのムコ多糖は動物の結合組織の基質および体液中に多量に存在し,動物の形態形成にあずかり,外部からの衝撃から保護し,また細胞間を移動する水分や電解質の調節および石灰化に関与していると考えられる.このほかヘパリンのように血液凝固阻止作用や脂血清澄作用をもち,臨床上用いられているものもある.
これらのムコ多糖は動物の結合組織の基質および体液中に多量に存在し,動物の形態形成にあずかり,外部からの衝撃から保護し,また細胞間を移動する水分や電解質の調節および石灰化に関与していると考えられる.このほかヘパリンのように血液凝固阻止作用や脂血清澄作用をもち,臨床上用いられているものもある.
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