icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科26巻8号

1972年08月発行

論説

駆梅治療中のペニシリンショック様発作について

著者: 皆見省吾1

所属機関: 1九州大学

ページ範囲:P.733 - P.735

文献概要

 ペニシリンショックは今日は以前ほど多くはないように思うが,それでもその起る可能性は充分にある.この発作は誠に嫌な症状で,一度これに遭遇するともう二度とペニシリンを使う気がしないという人もある.しかしペニシリン(PC)はよい薬であるためわれわれは毎日淋疾や化膿症に対してこわごわ使用しており,その前に必ず単刺皮内反応を行つておる.この反応で紅斑が径1cmをこゆれば注射を控えるが,陰性の場合には障害はないように思う.しかし絶対的に安全とはいえないし,皮疹などを起こすこともあるが,大体の目安としておる.
 このごろ駆梅療法についてサルバルサンなどは使用しないでPCなどに主力をおく考えが多いように思われ,サルバルサン(サ剤)の製造も中止されるらしいが,わたしはそのある間は使用することにしている.PCやバイシリン(BC)もわたしは使用しておるが,そのショック症状には常に注意しておる,ただし治療の初めにはなんら副作用を起さないので安心して使用しておるとかなり注射したのちにショック様症状を起すことがある.これをショックというべきか否やは確かではないが,これに類似するものである.その例をあげてみたいと思う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら