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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科26巻9号

1972年09月発行

文献概要

原著

角化母斑の特異型—光顕的ならびに電顕的観察

著者: 広根孝衞1 鍛冶友昭1 川田宗弘1 藤川幸雄2 福代良一1

所属機関: 1金沢大学医学部皮膚科学教室 2藤田病院

ページ範囲:P.795 - P.806

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 著者の一人福代1)はかつて,角化母斑のなかで特異な組織病変を示すものを詳しく研究し,これを角化母斑の特異型と称した.その組織病変の特徴は表皮細胞の空胞性変化,細胞質の粗状化と線維状化,およびケラトヒアリン顆粒の粗大化の三つの変化である.これらの中で,細胞質の粒状化と線維状化はGammel2)のいう好酸性変性(eosinophilic degqleralion),またLapiere3)のいう顆粒変性(degenerescence granuleuse)に相当する.
 他方,上述と同様な組織病変は先天性魚鱗癬様紅皮症(erythrodermia ichthyosiformis congenita,Brocq4))の水疱型3)および先天性掌蹠角化腫のある型5)においても主病変をなすことが知られており,また最近は,孤立性疣状皮疹6)や他の疾患7)の偶発変化としても同じような組織病変が見出されている.そのため,これらのものと角化母斑の特異型との関係についていろいろ論議されている.しかし,特異な組織病変の本態についての詳しい研究8,9)はまだ少ない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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