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原著
Dermatophyte Test Medium(DTM)による真菌培養成績
著者: 境繁雄1
所属機関: 1弘前大学医学部皮膚科学教室
ページ範囲:P.53 - P.58
文献購入ページに移動 皮膚糸状菌のアルカリ産生能を利用し,培地にpH指示剤を加え,さらに抗生物質,cycloheximideを添加して雑菌の発育を阻止し,皮膚糸状菌の発育により生ずる培地の着色を指標として皮膚糸状菌の発育を判定するDermatophyte Test Mediumを作製し,193組の臨床材料についてSabouraud glucose agarと比較した.前者では細菌,腐生真菌による汚染は強く阻止されたが,皮膚糸状菌の発育は抑制されず,後者に比し皮膚糸状菌,カンジダをより多く分離できた.pH指示剤の発色を指標とした場合,培地の着色をみた118例中,細菌によるfalse positiveの着色が5例あつたが,皮膚糸状菌のfalse negativeの無着色はなく,約96%の高率で皮膚糸状菌の判定が可能であつた.しかしfalse positiveの着色をきたす集落の形態は皮膚糸状菌のそれとは区別が容易であり,最少の真菌学的知識により皮膚糸状菌をかなり正確に判定できると思われた.なお,カンジダによる着色は2週間以内では起こらず,皮膚糸状菌の発育は一般にDermatophyteTest Mediumにおいて速かつた.
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