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原著
成人の陰部,臀部および下肢に発生した単純疱疹
著者: 谷垣武彦1
所属機関: 1大阪大学医学部皮膚科学教室
ページ範囲:P.1043 - P.1049
文献購入ページに移動 成人の陰部,臀部および下肢に発生した皮疹からウイルスを分離して,その性状を検討し,細胞変性効果,ブラック形成の点から単純疱疹ウイルス2型と確認した12例の患者を経験した.その臨床像は,好発年齢43〜47歳で女より男に多く,皮疹は集籏した水疱からなり時に紅暈を有するものもあり,いわゆる再感染型の像であつた.皮疹の数は陰部は単発,臀部は多発で,罹患年月は数年から10数年にわたつて出没をくりかえしているもにのがほとんどで,夏期に悪化傾向がみられた.治療については短期間に頻回にくりかえすものにのみ低濃度のIdoxuridine含有軟膏を使用した.12例のうち陰茎癌を合併していたのは1例であつたが,本ウイルスの抗体が子宮頸癌の患者に高いのと関連して興味ある問題である.
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