文献詳細
原著
文献概要
アトピー皮膚炎の発症病理として特異な所見を示すアトピー皮膚における皮表皮脂の態度に注目した業績は少なくないが必ずしも定説が得られていない.
従来,正常皮表皮脂量では正常に比し著変なく,皮脂回復量では正常に劣り,さらに病理組織学的に皮脂腺の萎縮があると報告されているが,著者らは30分間の皮脂回復量において皮脂腺由来のTriglyceride (TG)およびその分解産物であるDiglyceride (DG),遊離脂肪酸の総和がアトピー皮膚において正常皮膚に比して高値であること,さらにDG値がアトピー皮膚では有意に高値を示すことをしつた.このことからアトピー皮膚では皮脂腺におけるTG合成系およびその排泄過程におけるTG分解系に何らかの異常があることを推測させた.これがアトピー皮膚炎の病因となりうるかどうかはさらに検討を要する.
従来,正常皮表皮脂量では正常に比し著変なく,皮脂回復量では正常に劣り,さらに病理組織学的に皮脂腺の萎縮があると報告されているが,著者らは30分間の皮脂回復量において皮脂腺由来のTriglyceride (TG)およびその分解産物であるDiglyceride (DG),遊離脂肪酸の総和がアトピー皮膚において正常皮膚に比して高値であること,さらにDG値がアトピー皮膚では有意に高値を示すことをしつた.このことからアトピー皮膚では皮脂腺におけるTG合成系およびその排泄過程におけるTG分解系に何らかの異常があることを推測させた.これがアトピー皮膚炎の病因となりうるかどうかはさらに検討を要する.
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