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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科27巻2号

1973年02月発行

原著

襁褓皮膚炎に生じたKaposi肉腫様肉芽腫

著者: 中安清1 上田恵一1 高石喜次1 外松茂太郎1

所属機関: 1京都府立医科大学皮膚科教室

ページ範囲:P.157 - P.162

文献概要

 襁褓皮膚炎の病変部に生じたKaposi肉腫様肉芽腫の6例を報告し,Kaposi肉腫およびGranuloma glutaeale infantumとの異同について述べた.
 本症は,臨床症状では発生年齢が乳児に限られ,部位が襁褓皮膚炎に一致し,経過は比較的に短かく,再発もなく,組織学的にKaposi肉腫の肉芽腫期とほとんど区別できないが,肉腫様変化をみない点で異なつていた.またGranuloma glutaeale infantumとは発生部位が殿部以外にもみられ,組織学的に著明な好中球の浸潤と膿瘍形成を除いてはほぼ一致していた.
 本症の発症病因は不明であるが,襁褓の着用,襁褓皮膚炎ならびに使用した外用剤などが,本症の発症になんらかの誘因となつていると思われ,なお全例ビタミンK1によく反応した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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