文献詳細
原著
襁褓皮膚炎に生じたKaposi肉腫様肉芽腫
著者: 中安清1 上田恵一1 高石喜次1 外松茂太郎1
所属機関: 1京都府立医科大学皮膚科教室
ページ範囲:P.157 - P.162
文献概要
本症は,臨床症状では発生年齢が乳児に限られ,部位が襁褓皮膚炎に一致し,経過は比較的に短かく,再発もなく,組織学的にKaposi肉腫の肉芽腫期とほとんど区別できないが,肉腫様変化をみない点で異なつていた.またGranuloma glutaeale infantumとは発生部位が殿部以外にもみられ,組織学的に著明な好中球の浸潤と膿瘍形成を除いてはほぼ一致していた.
本症の発症病因は不明であるが,襁褓の着用,襁褓皮膚炎ならびに使用した外用剤などが,本症の発症になんらかの誘因となつていると思われ,なお全例ビタミンK1によく反応した.
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