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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科27巻2号

1973年02月発行

原著

新しい抗腫瘍剤ネオカルチノスタチンの疣贅への応用

著者: 熊坂鉄郎1 宮沢偵二1

所属機関: 1仙台逓信病院皮膚科

ページ範囲:P.163 - P.168

文献概要

抗腫瘍剤の疣贅への応用は古くはPodophyllinに始まり,最近はBleomycinや5FUが注目を浴びているが,われわれも新しく開発された抗腫瘍剤の一つNeocar-zinostatin(以下NCSと略す)を本症に用いてみた.
NCSの作用機序は,1)動物細胞の分裂阻害と,2)特異的なDNA合成阻害でRNA合成や蛋白合成にはまつたく作用しない.
使用方法は本剤の1vial 3mg単位(重量約2mg)を添付の溶解液で溶解し,さらに生食で稀釈し,1回量5/80mg(62.5mcg)〜1/80mg(12.5mcg)を週1回皮内局所に注射した.
24例に応用した結果全例に結節の消失・退縮をみ,またその3/4の18例が3〜5回投与で疣贅の消失をみた.
これは作用機作のよく似たBleomycinの疣贅に対する治療に匹敵する.特記すべき副作用はまつたくみられなかつた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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