文献詳細
文献概要
原著
金ゾル製剤による薬疹
著者: 松葉幹夫1
所属機関: 1成田赤十字病院皮膚科
ページ範囲:P.223 - P.232
文献購入ページに移動 最近金ゾル製剤による薬疹が増加しつつある.著者は昭和46年から同47年にかけて相次いで11例を経験した.この中できわめて興味ある経過をたどつた2症例を中心に報告する.
第1例はその経過中に,まず脂漏性皮膚炎,続いて,ジベル氏薔薇色粃糠疹,さらに棘状苔癬などに類似した皮疹を見せ,手足は角化性皹裂性病変を呈し,爪甲は脱落した.
第2例では初めに手指掌側,膝蓋部,肘頭,足趾腹側などに一見疣贅様,あるいは膿疱様皮疹が出現し,続いて第1例と同様,頭部,躯幹に脂漏性皮膚炎様皮疹を発現,さらに手足は角化性師裂性病変を呈した.
著者の観察した症例は全て全身状態は比較的良好で,一般検査でも特記すべき所見はなかつた.また貼布試験は4例に対して,皮内試験は2例に対して行なつたが全て陰性であつた.皮疹の発生と金使用量との間に相関は認められなかつた.
第1例はその経過中に,まず脂漏性皮膚炎,続いて,ジベル氏薔薇色粃糠疹,さらに棘状苔癬などに類似した皮疹を見せ,手足は角化性皹裂性病変を呈し,爪甲は脱落した.
第2例では初めに手指掌側,膝蓋部,肘頭,足趾腹側などに一見疣贅様,あるいは膿疱様皮疹が出現し,続いて第1例と同様,頭部,躯幹に脂漏性皮膚炎様皮疹を発現,さらに手足は角化性師裂性病変を呈した.
著者の観察した症例は全て全身状態は比較的良好で,一般検査でも特記すべき所見はなかつた.また貼布試験は4例に対して,皮内試験は2例に対して行なつたが全て陰性であつた.皮疹の発生と金使用量との間に相関は認められなかつた.
掲載誌情報