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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科27巻3号

1973年03月発行

原著

胃癌を伴つた皮膚筋炎の1剖検例

著者: 佐藤昭彦1 立川治俊1 牧野好夫2

所属機関: 1東北大学医学部皮膚科教室 2東北大学医学部第2病理学教室

ページ範囲:P.245 - P.253

文献概要

 65歳男.初診の2カ月前に発生した顔面,頸,前胸部の紅斑と四肢の筋肉痛を主訴として来院した.臨床症状と僧帽筋の典型的病理組織学的所見から皮膚筋炎と診断ざれ内科的検索の結果,胃癌が発見された.手術時,腹腔内転移のため根治手術は行なわれず胃切除術を施行した.術後,皮膚筋炎の症状は改善しなかつたが,ステロイドとメトトレキセートの併用は一時,著明な軽快をもたらした.肺炎により死亡し,剖検され,胃癌の多発性肝転移巣,肉様化肺炎,食道と大腸の滑平筋の侵襲などが明らかにされた.40歳以上の本症には高頻度に悪性腫瘍,特に胃癌を合併すること,悪性腫瘍に対する処置が皮膚筋炎に必ずしも有効でないこと,このような症例にメトトレキセートが有効なこと,肺炎の本体,また本症では骨格筋のみならず平滑筋も犯されることなどにつき若干の考按を加えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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